都心へのアクセスがいい3温度帯センター
女性スタッフが活躍する事故の少ない物流現場
流通論を専攻する学生さんたちを次に案内したのは、2018年5月にオープンした「阿見物流センター」(茨城県稲敷郡阿見町)。冷凍・冷蔵・常温の3温度帯に対応した物流施設です。センター内ではどのようなカテゴリーの食品が管理され、日々どんな作業オペレーションが展開されているのか。施設内を自由に見学してもらいました。
庫内温度の徹底管理
こちらのセンター(阿見物流センター)では主にどのようなアイテムを取り扱っているのでしょうか?
このセンターでは、様々なチーズ製品に加工される前の「原料チーズ」や、乳飲料の原料、製品化されたカップ飲料などをお預かりしています。冷蔵品の取り扱いがメーンとなります。ところで、皆さんは普段、映画館に足を運んだりしますか? 映画を観る前に売店でフライドポテトやフライドチキンなどを購入された経験があるかと思うのですが、調理される前のこれら食材(冷凍食品)も、実はこのセンターから出荷されています。
センター内にいると肌寒く感じるのですが・・・
いま皆さんがいるエリアはチルド(冷蔵)スペースで、室内温度は5度前後をキープしています。隣のエリアは冷凍スペースで、それよりもはるかに寒くてマイナス21度前後に設定されています。誤って温度が上昇してしまったら、お預かりしている製品がすべてダメになってしまうので、各エリアの温度は常にモニタリングしているんですよ。
保管棚には同じような製品がたくさん並んでいますが、それぞれに番号のようなものがふられていますね。
このセンターに入ってきた順番や製造年月日が記載してあります。先にセンターに入ってきた製品から先に出荷していくというルール(先入れ先出し)を徹底するためです。食品の場合、同じアイテムであれば、どれを出荷してもいい、というわけにはいきません。「このアイテムは、この製造日分まで、消費期限が何日分残っているものまで」といった具合に、出荷が可能な製品が明確に決められています。ピッキングや荷揃えといった庫内作業で人的ミスを発生させないために、番号や印をつけて目立たせているんですよ。
女性スタッフの丁寧な荷扱い
こちらのセンターでは何人くらいの方々が働いているのでしょうか?
従業員数は約30人です。センターは365日稼働しています。働いている人たちを見て、何か気がついたことはありませんか?
女性の方が多いような・・・。
センターがオープンした当初、女性スタッフは2人だけでした。しかし、その後、「未経験者でも採用します」と募集をかけたら、段々と女性スタッフの比率が高まってきました。冷蔵・冷凍スペースでの作業は、肉体的に決して楽ではないと思うのですが、とても頑張ってくれています。
女性が活躍するセンターなのですね。
女性スタッフを中心とした庫内オペレーションを展開していて、特徴的なことは荷扱いが丁寧だということです。現場の事故も大幅に減少しました。フォークリフトの運転・操作もとても上手です。
センターはほぼ満床状態ですね。
至近の圏央道「阿見東IC」は当センターから約2㎞です。有名な「牛久大仏(赤丸内)」の左側付近に位置します。
交通アクセスがいい点が評価されているのだと思います。高速道路のインターチェンジからほど近い場所に立地し、都心部からは車で1時間30分程度に位置しています。また、近年は隣県の千葉県の沿岸部にある冷凍・冷蔵倉庫が老朽化の影響で、定温物流ニーズを受けきれず、それが当社のようなセンターにとっては追い風となっている面があるかもしれませんね。
この物流センターには以下のページもございます
物流センター訪問記
物流センター訪問記(安全管理編)
「事故を起こさない職場づくり」を徹底
遵守事項・構内ルールの明確化で安全を確保
物流センター訪問記(温度管理編)
商品アイテムごとに異なる“美味しい”温度
施設内に設置の温度計を1日3回目視で確認